友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~
何とも言えない表情をしている渉。

「それ以上言わせるわけにはいかない」

母子手帳を手にしたまま、渉が私の方を見る。

「座ろう。」

私の肩を抱くようにして、渉はベンチへと促す。

そっと私をベンチに座らせると、渉はすぐ隣に座った。

「体、大丈夫なのか?」
「・・・」

なんといえばいいかわからず、私は黙って頷く。

「そっか」

渉は自分の手の中の母子手帳を見つめる。
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