友達の恋人 ~ 一夜からはじまる愛の物語 ~
ただただ過去を想って後悔した私。
渉の言葉に、ただただ香澄への想いが募った。


自分の病気を知って不安だっただろうな。
命に限りがあることを知って、絶望しただろうな。
苦しんだだろうな。
辛かっただろうな。
きっと何度も一人で泣いていたんだろうな。



今になって真実を知っても、私はそんな香澄の私への想いも知らずに、背を向けて逃げ出して、そばにいなかった。

その事実は変えられない。

変えようがない。

今になって謝りたくても、もう香澄はいない。
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