Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~
深愛
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無事に運動会を終え、私達はマンションに戻った。

私は豊の部屋に入り、スニーカーを脱いだ。

「お邪魔します…」

「睦月…」

豊の甘い声が室内に響き渡り、突然抱き締められる。
懐かしい温もりと匂いに包まれてると顎をクイッと持ち上げられ、唇を塞がれた。

壁面に飾られたニューヨークを活動拠点とする新鋭のアーティストのモダン的な絵画の前で激しいキスを交わした。

四年分の時間を取り戻すように互いの唇を貪り合い、舌を絡め合わせる。

キスの終わりを惜しむように白い糸は引き合う。
互いの涎で濡れた唇を指で拭う豊の姿をダウンライトが妖艶に照らした。


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