Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~
一週間後…

「へぇー…今日はやけに気合入ってるな…」

私は兄とホテルのロビーで待ち合わせをした。

兄の方が先に到着し、私に電話を掛けて来た。

「私のコトはどうでもいいでしょ?」

兄の言う通り、パーティドレスを新調し、行きつけの美容院でヘアとメイクもして貰った。

主役は社長に就任する豊。
兄はさりげなく腕を組み、私に腕を通すように言ったが。無視してスタスタ先に歩き、ベージュの絨毯が敷き詰められた緩やかなカーブのついた階段を上がった。

昇った先には丁度受付席が設けられ、皆が記帳して、その先では手荷物検査、金属探知機によるボディチェックがなされていた。

「随分と入念なチェックね…」


「そりゃそうだろ?天下のレオンだからな…」

「天下のレオンね…」

「まぁ、帝都も負けてはいられないけど…でも、近々…帝都とレオンは業務提携して新たな店を作るプロジェックトが水面下では進行してんだ。睦月」

「へぇー…」

「帝都とレオンは結婚するんだ。睦月と豊みたいに…」

「私達を引き合いに出さないで…」

私は茶化す兄貴を睨んで、脛にケリを入れた。

「痛っ!?お前なぁ~」

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