Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~
晴れ舞台
季節は廻り、豊は社長に就任して一年の月日が流れた。

朝から誰かがインターホンを押した。

「誰かな?」

豊がネクタイを結びながらモニターで相手を確かめた。

「玲也君だ…」

「玲也君?そう言えば…今日は確か…双葉小学院の入学式だっけ?」

「そっか…」

私達二人でドアを開けた。

「見て見て!!僕、小学一年生なったよ!!」

玲也君は嬉しそうに私達に制服姿を披露してくれた。

「凄くカッコいいよ!!玲也君」

「今日はランドセル背負わないけど…明日は背負っていくんだよ…また、見せに来るね…」

「玲也ってば・・・朝からすいません…」

「いいのよ…凛香さん」

私も凛香さんも妊娠七ヵ月に入り、お互いにお腹も出て来た。

凛香さんはピンク色のワンピース姿。

「何だ・・・神楽坂社長の所に行ってたのか…玲也」

「二人揃って入学式に出席するんだな…」

「まぁな・・・玲也の晴れ舞台だからな…」

私達は手を振って三人を見送る。

「筒見社長の所…女の子らしいわよ…」

「へぇー…俺はこの目で見るまで…訊かないぞ。だから…お前も訊くなよ…睦月」

「分かってる…」

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