Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~
「要は紗羅が不器用だから…キャラ弁作れないんだよ」


「佐久也ね…じゃ貴方が一度作ってみなさいよ…」

「俺は…無理だよ…」

「分かりました…一度試作品作ってみます…」

「ありがとう…さすが料理研究家」

「いえ・・・紗羅さんにはお世話になっていましたから…」

「ありがとう…ちなみに私が作ったキャラ弁見る?」

紗羅さんは自分のスマートフォンのアルバムに保存した作ったキャラ弁を見せてくれた。

「これは何ですか?」

お世辞でも何も言えない紗羅さんのキャラ弁。
隣に覗き見る佐久也さんは笑っていた。

「佐久也…これでも頑張って作ったんだからね…」

「はいはい、わかってるよ…」

でも、佐久也さんは肩を揺すり、笑いを堪えていた。

「もおっ」

紗羅さんは頬を膨らまし、アルバムを閉じる。
空が生きていたら、私の幼稚園のお弁当でキャラ弁を作っていたかもしれない。


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