Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~
俺は一端、部屋に戻ってシャワーを浴び、自分の着替えと明日着ていくスーツを持って病院に向かった。

「睦月…来たぞ」

病室に入った途端、聞こえて来た音はカタカタとキーを叩く音。
睦月はベットを起こし、備え付けのテーブルにノートパソコンを置いて、文書を打ち込んでいた。


「睦月、何してんだ?」

「仕事してるの…」

「仕事??大丈夫なのか?」

仕事よりも今は…赤ちゃんのコトを考えろと喉奥から声にして言いたかったけど。

睦月の真剣な顔を見ていると何も言えなくなった。

「俺に手伝えるコトがあれば…手伝うぞ…」

「ありがとう…豊」

何事にも全力投球で責任感の強い睦月。

俺も不器用だけど…睦月も不器用な所がある。


「誤字脱字ないか…見てやるよ」

「ありがとう…」

睦月は指を止めて大きく息を吐き出し、カラダの力を抜いた。

俺は画面を覗き、誤字脱字をチェックする。
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