Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~
エピローグ
歩も二ヵ月半の入院を経て退院した。

『ヘブンズホテル・ベイ東京』内に新しくオープンした別館の料亭で神楽坂家一同で、歩の退院祝いを開いた。

歩本人はワケ分からず、私のおっぱいを飲んで、お腹も満たされ、そのままクーファンで眠ってしまった。

「こんなに騒がしいのに…良く眠れるわね…」

「そうだね…」

有翠ちゃんと豊が歩の顔を覗き見ていた。

「赤ちゃんは寝るのがお仕事…今はたっぷりと寝て…英気を養ってるのよ」

お義母さんが来て、私達にそう呟く。

「何だ?歩は寝てるのか…折角集合写真撮ろうと思ったのに…」

お義父さんは歩の顔を覗き込んでボヤいた。

「怜は本当に自分本位なんだから…」

「俺にだって…段取りってものがあるんだ…なぁ?豊」

「何で?俺に振るの…」

「俺にはお前しか味方居ないだろ?紗羅と有翠は完全に紗月の味方だ…」

「大丈夫…俺もお義父さんの味方ですよ…」

「俺には佐久也君が居たか…小早川君も居たな…」

皆が歩の周りに集まるもんだから、一層騒々しくなって歩が泣きだした。

「さぁ~起きたぞ…集合写真の撮影を始めるぞ。
睦月さん…歩を宥めてくれ!!」


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