Fake love(2)~離婚からはじまる社長の深愛~
二週間後、摩弥さんが私にアポを取り、『帝都百貨店』のスクールを訊ねて来た。
「私なり、リサーチし、分析した結果です」

「ありがとう御座います」

私は摩弥さんの作成したレジメを受け取った。

「レジメに添い簡単に説明させていただきます。三ヵ所目のスクール開校はまだ具体的ではないと訊いたので、あくまで参考にして下さい」

「はい」

「やはり、今は料理の上手い素人さんでも簡単に自身の料理を動画で撮影し、パソコンやスマートフォンにアップできる時代です。自宅で少人数の料理教室や菓子教室などを開く方が多いです。
自宅では料理教室を開けない方向けのレンタルキッチンスペースも都内には多く存在します。六本木ですと六十ヵ所ありました」

「へぇー…」

摩弥さんは細かく調べ、分析して教えてくれた。

「凄く参考になりました…ありがとう御座います。摩弥さん」

「いえ…これが私の仕事ですから…」

「豊とはデートしてますか?」

「あ・・・いえ・・・向こうも忙しい人だから…貴方の方こそ…御堂さんとはデートされているんですか?」

「ううん、彼の忙しい人だから…」

「グランピングの話はどうなったんでしょうね…」

私は摩弥さんに今日の講習会で作ったパンナコッタをアイスコーヒーと共に出した。


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