道化師は泣く
第一章 春のソラ


中学を卒業して、今年から高校生になる
俺は、真新しい制服に袖を通して、不安とちょっとの期待を背負って入学式に向かった。

勢いよく玄関の扉を開けると、そこに立っていたのは……

「龍也くん!おはよ」

近所に住んでる幼なじみの姫花だった。

「龍也くん、一緒に学校行こうよ(^^)」

「いや、おまえは、中2だろ!」

「だから途中まで!!」

眩しいほどの太陽と、桜並木の道を姫花は駆け出した。

姫花の背中を追いかけるように、俺は走り出した。

姫花と別れた後、俺は、1人高校に足を踏み入れた。

高校は、見慣れた顔の奴もいれば全く知らない奴もいて、新鮮な気持ちだった。

「龍也!おまえの席ここだってよ!」

同中のダチ春人が、声をかけてきた。

「おぅ!」

春人は俺の隣の席で、俺は少しだけほっとした。

「よぉ龍也、おまえ相変わらずイケメンだな笑」

「別に…」

「おまえさ、今日から高校生なんだからさ、お互い彼女見つけようぜ!」

「興味ねぇーよ」

「えー龍也モテんのに、もったいねー」

春人との会話は、いつもこんなんばっかりだ。

春人は小学校からのダチで、思えば、小学校の時から、女の子にモテる事ばかり考えていた。

春人とは、対象的に俺は、女の子に興味がない…というか、姫花以外の女の子と話せない。

女の子と話をすることが苦手で、小学校の時からよく女の子に告白されたことがあったけど、俺は、断ってきた。

それと、俺は、姫花の事が実はずっと好きなんだ。

だから、告白されても、付き合えない。


姫花だけは、他の女の子達と違って、幼なじみなせいか、安心できる。

俺の中では、姫花以外の女の子と付き合う事ができないと思っている。

ガラ

突然大きなドアの音がして、先生が入ってきた。

「席についてください」

先生の一声で、生徒達は、各々の席に帰っていった。

グレーのスーツに、大きな眼鏡の先生は、黒板にデカデカと名前と、歳を書き、自己紹介をした。

「市原将也、24歳 これから一年間よろしく」

先生は、自己紹介とある程度の学校説明をし、体育館へ、俺たちを誘導した。

高校の体育館のドアが開いた時、俺の不安と期待が一気に込み上げた。






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