僕の趣味



「うぅぅ~。もう、しょうがないなぁ。
 じゃあ、せめて柚翔の女装と私の男装のツーショット写真は撮ろう、部屋の中で。
 それだけだったらいいでしょ」


 すがるようにそう言った、真彩。

 部屋の中でツーショット写真。
 それくらいならいい……かな。


「わかった、それだけなら」


 だから真彩にそう返答をした。


「やったぁ、ありがとう、柚翔~」


 真彩は嬉しそうにそう言って俺に抱きついた。


 やっぱり弱い。

 真彩に甘えた口調で言われたりすがられたりされると、とても弱くなる。

 だけど、そんな俺も悪くはない……かな。


「ねえねえ、柚翔、
 なんか嬉しいね」


「嬉しい?」


「うん。
 私と柚翔、二人だけの秘密ができて、すごく嬉しいんだもん」


 俺と真彩。
 二人だけの秘密。

 そうか。
 確かにそうだな。

 自分の趣味が真彩にバレてしまってパニックになっていたから気付かなかった。

 だけど冷静になってから考えると。
 それがきっかけで俺も真彩の趣味を知ることができた。

 それは真彩の別の姿を知ることができたということ。

 それを知ることができた。
 それは俺だけ。

 それは、なんて嬉しいことだろう。

 そう思った俺は真彩のことをより強く抱きしめた。


「柚翔、ちょっとだけ苦しい」


「あっ、ごめん、真彩。
 つい嬉しくて」


 俺は真彩を抱きしめる強さを少し弱めた。


「俺もすごく嬉しい。
 真彩と二人だけの秘密ができて」


「柚翔……」


「真彩、これからもよろしく」


 これからも真彩と一緒にいたい。

 そして二人だけの秘密、一緒に楽しんでいこう。


「柚翔、私の方こそ、これからもよろしくね」



 こうして俺と真彩の新たな時が動き始めた。





 *end*






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