優しい愛に包まれて~イケメンとの同居生活はドキドキの連続です~【リニューアル版】
『画家でシェフ、それすごくいい。颯なら絶対できる』


祥太君はそう言って、颯君の頭をくしゃくしゃに撫でた。


それを見て、みんなで笑う。


『颯君の絵はとても繊細で素敵だし、料理だってきっと上達するから。だから頑張ってね。本当に…みんなを巻き込んでしまって申し訳ないけど、でも夢が叶うのはすごく嬉しい』


みんなの後押しのおかげで、私はこの別荘をペンションにする決意が固まった。


『じゃあ、祥太兄。お祝いのピアノ聴かせて』


『ああ、もちろん』


祥太君が、ピアノの前に座る。


すごい…


その瞬間からピアニストの顔になるんだ。


背筋をピンと伸ばして深く息を吸って、そして、ゆっくりと吐く。
< 171 / 204 >

この作品をシェア

pagetop