優しい愛に包まれて~イケメンとの同居生活はドキドキの連続です~【リニューアル版】
そんな大変な時に心配はかけられない。


『結構仕上がってきたよ。あと少しかな。それでさ…』


『うん』


『結菜ちゃんに、コンサート見にきてほしいなって』


『えっ、いいの? うん、絶対見にいきたい。でも、今からじゃチケット取れないよね…』


祥太君のコンサート、本当はすごく行きたかった。


でも…


戸惑う自分もいた。


コンサートで輝いてる祥太君を見たら、私の気持ちがどうなるか不安だったから。


『チケット。はい、これ』


嘘、チケット取ってくれてたの?


『結菜ちゃんの分だけしかないけど…だからみんなには内緒だよ』


『嬉しい…本当にいいの?』


『もちろんだよ。来週の日曜日の昼だから。俺…コンサートのためにめちゃくちゃ頑張ったから。だから結菜ちゃんに聞いてもらいたいんだ』


嬉しい。


すごく嬉しいよ。


不安だなんて、変なことは考えないで自然に音楽を感じればいいんだよね。


きっと…素敵な時間になるよ。


祥太君、一生懸命ピアノ頑張ってたから。
< 98 / 204 >

この作品をシェア

pagetop