行き着く先は・・
(二十九)

••はかったな


イタリアのポジターノに着くと

聡吾さんが·····
「はかったな?」
と、目の前の修吾パパとお母さんを見て
呟いた。
「だって、修吾パパ働き詰めだし
お母さんは、旅行に行ってないから
お母さんもポジターノに
行って見たかったらしいから。」
と、言いながら
母と修吾パパの元に行くと
修吾パパが、私を抱き締めて
「楽しかったかい?
   真一さんと話した?」
と、言うから
修吾パパの背中をポンポンとして
「良い式だったよ。
でも、聡吾さんが格好いいから
みんなチラチラみるから
ヤキモチやいたの。
お父さんには、きちんと報告したよ。
夫の聡吾さんですと。
それに、お母さんは、修吾パパと
とっても仲良しだよ
と、話してきた。」
と、言うと
「修吾、ボチボチ返さないと
顔色変わってるよ。」
と、お母さん。
「まったく。
俺は、お前の父親で希空の義父だろ?」
と、修吾パパが言うと
「嫌なもんは、嫌なんだ。
俺は、茜さんを抱き締めないだろ。」
と、聡吾さんは、言いながら
私を自分の腕の中にいれる。
「あら、私は息子とハグしたいわよ。」
と、お母さんが言うと
「ダメだよ。俺以外を抱き締めたら。」
と、あまりにも身勝手な事を言う
修吾パパに皆であきれたり
笑ったりして空港を後にした。

修吾パパとお母さんに
聡吾さんが、青山 聡吾と
なった報告をした。
私は、そのままだが·······

お母さんは、
   秋山 茜だ。

日本もイタリアでも
その名前で提出している。同

それからは、四人で五日間を
満喫した。

来月には、
修吾パパとお母さんは、
おじいちゃん・おばあちゃんになる
報告を受けることになるとは
今の私達には、わかっていない······



私の行き着く先は········

     ····聡吾さんの元

聡吾さんとずっと一緒に生きて行きたい


希空、愛すること、大切にすることを
俺に教えてくれてありがとう。

これから先も、俺と一緒に生きて欲しい。


「 愛している、聡吾さん 」
「 愛している、希空 」


               完
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