行き着く先は・・
(十五)

••別の方


待ち合わせの時間になって
修吾さんから連絡があって

「急用が入り一緒に日本へ
行けなくなってしまい申し訳ない。」
と。
「いいえ。
私を気にかけて無理をされたのでは
と心配していました。
日本へ到着しましたら連絡させて
頂きますね。」
と、恐縮しながら告げると修吾さんは、
「たまたま、日本へと行くものが
おりましたので、一緒にお願いします。」
と、言われた
「え~っと、別の方ですか?」
と、訊ねると
「嫌だったら、無視してもらって
構いません。」
と、言われて笑ってしまった。

搭乗時間になり
機内に入って行く

さすがのファーストクラスに
感激していると
一人の背の高い男性が
私の隣に腰かけた。

隣と言っても
離れているし小さな衝立てもあり
こちらから関わらなければ
問題はない。

ただ、修吾さんの
お知り合いの方だと思い
頭を下げたが
男性は目を動かしただけだった。

凄いイケメンだが
目付きが悪くて怖い印象が強い。

私は日本へ着くまで
関わらないことにした。
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