茉莉花の花嫁
その瞬間、茉莉花は力が抜けたようにその場に座り込んだ。

「――迷惑って…」

そんなことを言われたのは初めてだった。

「でも、仕方がないか…」

いきなり“好きになってしまった”と告白されて、“はい、そうですか”となる訳がないだろう。

そんな風に話がうまく行かないのは、当然のことである。

それに何より、
「私と結ばれたら、清瀬さんは死んじゃうんだよね…?」

最もなその理由に、茉莉花は呟いた。

「他に呪いを解く方法は、本当にないのかな…?

清瀬さんが死なずに済む方法で、呪いを解く方法は…」

そう呟いた茉莉花だったが、
「だけど…清瀬さんからしたら、それも迷惑なんだろうな」
と、呟いた。
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