茉莉花の花嫁
黒鬼にかけられた呪いを解くことができる唯一の人物――それが“茉莉花の花嫁”だった。

嶋佐茉莉花は、自分にかけられた呪いを解くことができる運命の女性だった。

だから、女郎花の前で出会った彼女を忘れることができなかった。

何故なら、彼女は“茉莉花の花嫁”だったのだから――。

茉莉花の後を追っていたら、フレンチレストランに到着した。

隣には恋人らしき男がいる。

(何だ、恋人持ちか…)

その場から引き返そうとした清瀬だったが、
「おひとり様でしょうか?」

店員に声をかけられた。

「すぐに席の方をご案内いたします」

「…あ、ああ」

店員に案内されるように、清瀬はレストランの中に足を踏み入れた。

(金はあるからいいんだけど…)

清瀬は店員に案内された席に腰を下ろした。
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