茉莉花の花嫁
「落ち着いてくれって何が!?

結婚したい人がいるからって捨てられて、なのにその人と別れたからやり直してくれって何なの!?

一体、どう言う神経をしてるの!?」

「ほ、本当に、悪かったから…」

怒鳴っている茉莉花に、熊元は呟いているような声で謝ることしかできなかった。

「あなたとは絶対にやり直さないから!」

「えっ…」

「もう2度とあなたとつきあわないって言ってるの!」

そう怒鳴った茉莉花に、熊元は目を見開いて驚くことしかできなかった。

「わかったなら、もう2度と私の前に現れないで!」

熊元に背中を見せると、茉莉花はその場から立ち去ろうとした。

だけども、
「待ってくれ!」

熊元に腕をつかまれて、止められてしまった。
< 58 / 70 >

この作品をシェア

pagetop