結婚から始めましょう。
すぐさま顎をすくい上げられて、再び口付けされる。
さっきのふれるだけのキスとは違って、まるで彼の熱を注がれるような深いキスに、何も考えられなくなっていく。

わずかに離された隙に息を吸おうと口を開けると、それを待っていたかのように彼の舌が入ってきた。口の中をくまなく弄るような荒々しいキスなのに、添えられた手は優しくて嫌な気はしない。

たまらず彼の腕を掴むと、リップ音を残して唇が離された。
そのままコツンと額を合わせる。

「ごめん。嬉しくて止められなかった」

力なく言う蓮に、キュンとしてしまう。

「嫌じゃなかった?」

「うん」

「僕は、こうやって桃香さんともっとキスしたいし、触れたいと思う。桃香さんは、同じ気持ち?」

今のような深いキスも嫌じゃなかった。それどころか、もっとって思うぐらい。
小さく一つ頷くと、意を決して蓮と目を合わせた。

「私も蓮さんが好き」

その瞬間、蓮の腕の中に閉じ込められてしまった。
好きだからこそ、もっとって思う。


「桃香……好きだ。結婚して欲しい」

初めて〝桃香〟と呼ばれて、嬉しさが増す。

「私も、蓮さんが好き。よろしくお願いします」


結婚はもう決まっていたこと。わざわざ確認する必要はないけれど、お互いの気持ちが通い合った今、それはすごく幸せな気持ちにしてくれた。




出会ってからから2ヶ月ほど。
私は秋葉蓮に恋をしていることを自覚した。





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