触らないでよ!〜彼氏に振られたその日、女の子(?)に告白されました〜
これからもどうぞよろしくお願いします。
軽めの朝食を済ませて着替える。

澪ちゃんは「行きたくない」とテレビの前から動こうとしない。

そうしているうちにお昼が近づいてきた。



「澪ちゃん、私、行くよ?」

「うぅうう、俺も一緒に出る……」



面倒くさそうに重い腰を上げて、一緒に家を出た。

大学へ向かう途中、友達から、遅いとたしなめる電話がかかってきて、理不尽に怒っている。

今のは澪ちゃんが悪いのに。




「じゃあ、頑張ってね」

「やだー……ミカさん今日休みなのに、なんで俺ここにいるの……」

「今日、お店行くから」

「うん……」



大学の正門で澪ちゃんと別れる。


振り返ると、後ろでまとめた髪が歩くリズムに合わせてゆっくりと揺れている。


ーー本当に行きたくないんだなぁ。


澪ちゃんのその姿が可愛くて笑えてくる。




電車に乗って、2週間ぶりの自宅に戻る。

郵便受けには見たことない量のダイレクトメールが溜まっていた。



部屋に入って、コートを着たまま家中の窓を開ける。


ーーもう、この部屋にもあまり戻らなくなるんだなぁ。

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