瞳には雫を,唇には歌を,この世界に祝福を。

ホイヒェライで何が悪い

〈フェンside〉

早朝。

朝の4時頃に俺は裏道を通りつつ,変わり果てた街中を眺める。

それが日課になっていた。

この街がこれ程変わったのは俺のせいでもある。

発展を促すため,緑などを最低限の量にして,建物や店などをたくさん建てた。

それだけで皆は自由になったと喜び,俺を尊ぶ。

人間は醜い。

元々あったものを切り捨ててまで,自分たちの自由を尊重する。

おかしいだろう?

全てのものを傷つけてまで,自分の命を,自由を守り抜こうとするのだ。

でも,この世界はそういうふうにできている。

大人は,自分よりも他人を大事にしなさいとか言って,みんな相手のために尽くしている様に見せている。
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