好敵手~真実探求ハムカイザー
「今日は仰怪人が多いな。三件か。」
 多網嶺太(たあみ れいた)が 険しい顔で所轄からの報告を待っている。
 夏が近づいて天気の良い土日だと行楽地は人出も多い。仰怪人は宮崎神宮、鵜戸神宮、青島神社に出現した。一日三件出現したのは初めてである。
短袴(たんこ)巡査の様子はどうだ。」
 西郷が言った。
「短袴巡査は今日はイーバリーで買い物をしています。」
 梯絵楠《かけはし えなん》が答える。
「どんな格好だ。」
「服装はパンツルックですから、影は取り憑いていないようです。そして短袴巡査に憑く影はハムカイザーではなく弟のハムカウジーかと。」

 すると多網が何かの報告を受けたようで喋り始めた。
「室長、ハムカウジーが鵜戸神宮の仰怪人を操ってます。ハムカイザーは宮崎神宮と青島神社の二刀流です。鵜戸神宮の仰怪人は運玉を大量によこせと一万円札を積み上げて買い占め、運玉が無くなると万札を丸め霊石亀石(れいせきかめいし)に向かって放り投げたので貨幣損傷取締法の現行犯で拘束しました。」
「ハムカウジーはともかくハムカイザーが二刀流三刀流と増やし始めたら厄介だな。」
 今度は補佐の山村が言う。すると梯が口を挟んだ。
「ハムカウジーが操る影の行動には緑茶先生の小説の描写と共通点があります。」
「どういうことだ。」
 西郷が問い掛けると梯が答える。
「申し上げにくいのですが短袴巡査がストーカー容疑で緑茶先生を拘束しようとした時のストーカー行為ではないことが判明した後です。緑茶先生はイーバリーの総務部長の顔を見て笑いながら、イーバリーの商品券を一枚一枚丸めては〈運玉、糞玉、紙玉、神屑〉と言いながらゴミ箱にポンポン投げていたらしいです。この時に〈紙玉の紙は紙切れの紙、神屑の神は神様の神。〉と言ったとか。最後は総務部長に〈俺は出入り禁止なんだろう。じゃあ、あなたのところの商品券は紙屑以下だな。〉言ったみたいです。そして緑茶先生は小説『天使になりたかった魔女』でネタとして使っています。」
 多網が
「詳しいな。」
と言うと梯は
「私も『天使になりたかった魔女』は読んでいるんです。」
と答えた。
< 30 / 30 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

那須大八郎~椎葉の『鶴富姫伝説』~

総文字数/15,528

歴史・時代21ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
 宮崎県の椎葉村に『鶴富伝説』と言う話があります。  ヒロインはもちろん鶴富姫ですがお相手の那須大八郎とは一体何者なのか。宮崎県人の私としてはそれなりに想像を巡らせて見ました。  『大八郎』なる物語も書いていますが、そちらは『那須大八郎演義』かなと。
魔女は天使の声色で囁く

総文字数/24,960

恋愛(純愛)35ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
 執筆が趣味の興梠修一郎はリサイクルショップ巡りが趣味である。そしていつも弁当を買うスーパーのレジで気になる女性と気になる女性と話すようになった。  その女性は修一郎にとって天使なのかはたまた魔女なのか。
雪女は溶ける?正体も解ける?

総文字数/11,229

恋愛(その他)13ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
 雪女が現れるのは大雪の日ばかりとは限りません。南国宮崎にも現れます。でも南国宮崎って死語ですよね。沖縄の知人は宮崎は寒いと言います。  この作品は2010年頃FM宮崎に投稿した作品の構成を一部変えたものとなります。  そのまま掲載すると著作権がJFNにある場合に規約違反になるのでこのようにしました。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop