【完】#ただいま溺愛拡散中ー あなたのお嫁さん希望!ー
背中を向けた樹くんは完璧にいじけている。 やっぱりチビひなたの事言えない位子供じゃんかよ。
「まさか!42歳になっても樹くんは格好良いですよッ」
くるりとこちらを振り返って、真っ青な顔をする彼。
「もしかしたら今よりずっと腹が出ているかもしれん。頭も剥げ散らかして加齢臭も漂っているかもしれない。
そうしたら君だって18歳のぴっちぴっちの陽向の方がいいと言い出すかもしれない。だって君だぞ?!」
「もぉー…失礼すぎますって!」
んぅと小さな寝息が聴こえて、チビひなたが私の方へ寝返りを打ったかと思えばぎゅっと胸を掴んでくる。
「またこいつは!子供という特権を使って!」
「シーッ!起きちゃうでしょう?それに甘えているだけなんですよ」
「つまらん。」
「もぉ…これじゃあ子供が二人いるみたいじゃないですかぁ~」
呆れながら笑うと樹くんはチビひなたを真ん中に挟んだまま、私を抱きしめる。
そして深い深いキスを落とす。