今日から不良王子と同居します。
蒼汰くんと名乗る彼はなんだか緊張しているみたいで目線を合わせないし顔も赤い。


よく見たら、人のよさそうな可愛らしい顔立ちをしてる。


「うわっ、やべー、お嬢様、マジ綺麗」


そして俯いてゴニョゴニョ呟いている。


ああ、そう言えば彼には見覚えがある。


あの乱闘騒ぎの時に私を車まで引っ張って行ってくれた1人だ。


間違いなく玲生くんのお友達。


「あの、俺、これから玲生と遊びに行く約束してて、それで迎えに来てて」


「まあそうなの。だったら中へ入って待ってて」


「いえっいえっ、ここで充分っす。なんかお城みたいにすげーでけーからびっくりしてました」


「ううん、古くてお化け屋敷みたいって言われることもあるのよ」


「そんなことないっす。俺こんな立派な家見たの初めてで」


「そうかな」


終始緊張気味に話す彼は、私とまともに視線を合わせない。


私にしたら毎日住んでいる邸なのでたいして何とも思わない。


それに明日香ちゃんや直政くんや他のお友達のところも似たような感じだったので、特別凄いとも思わないんだ。

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