今日から不良王子と同居します。
彼はその子たちから離れて、私達の方へと歩み寄ってきてくれた。


「直政、何よあんた、まさかあれが目的じゃないでしょうね」


「あれって?」


「スカートの短い軽そうな女子達」


明日香ちゃんは嫌味たっぷりにそう言って彼を睨む。


なんだろう、明日香ちゃんはちょっと顔を赤くしてて怒っているみたいに眉を寄せている。


可愛らしいな、明日香ちゃん。


あれ?でも、これじゃあまるで……。


ヤキモチを焼いているみたいに見えちゃうんだけど。


「ああ、違うけど。彼女達に呼び止められたからちょっと話をしてただけだよ」


対して直政くんはなんでもないことのようにさらりと答える。


「逆ナンにひっかかってんじゃないわよ」


「だから違うって。それより面白い話を聞いたんだ。どうやらこの体育祭、他とは違ってて独特な競技種目もあって、かなり見ごたえがあるらしい。今日ばかりは近隣の女子高生が授業をさぼってたくさん見に来るんだってさ」


「へえ。そうなんだ、意外だね」
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