今日から不良王子と同居します。

私の息がかかってしまいそうなほど近くて。


玲生くんの耳が赤い。のぼせたように赤い。


キスしたあの時の感触が、もどかしいほど心を支配する。


こんな気持ち、彼に悟られたくない。


すると、玲生くんは照れくさそうに顔をそらせてしまう。


そんな顔しないで、私だって恥ずかしいんだよ。


あの夜は簡単に超えてきた境界を、この時の彼は越えようとはしなかった。


少しずつ熱を増していく、お互いの身体。


こんなに恥ずかしいのに、こんなに胸がドキドキしておかしくなってしまいそうなのに。


どうしてこんなに、彼から離れたくないんだろう。


わからない、でもまだ今はこの気持ちの正体なんて知りたくない。


ただ、もう少しこのままで一緒にいられたらそれでよかったの。

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