俺の宝物は、お前の笑顔。
第五章

ゆりあside


期末試験が終わり、土曜日がやってきた。


今日は、愛菜と袖川さんと一緒にメイク道具を買いに行く。


集合した後に、袖川さんにドラッグストアを案内してもらった。
袖川さんに続いてドラッグストアに入り、どんどん進んでいくと、石鹸や化粧水、クリームなどの匂いがする。



「あたしが買ってるマスカラも、ここで売られてるんだぁ」



「ここだったんだぁ」



少し奥まで行くと、女の人のメイク用の道具が置かれてある場所にたどり着いた。


ピンク色をテーマにしているものがたくさんあって、女子力が高い人に似合うものばっかり。


あっ、マスカラが棚にあるのを見つけた。
茶色とか、黒とか、同じマスカラでも色が違う。


化粧水や乳液など、美容の基本となるものもきれいに置かれてあった。


袖川さんは、愛菜の顔をじーっと見つめた後に、うん、と頷いた。



「そうだな〜……まず、久保田さんにはマスカラはいらないかな」



「えっ?」



「久保田さんは、童顔でふわふわなイメージがあるから、そういう人はマスカラよりも他のを使った方がいい気がする!」



あぁー……袖川さんの言う通りだ。


愛菜は白い肌で、シミもなく、黒髪に黒い目というところから、幼い印象を漂わせている。


けれど、いつだってふわふわしていて優しさが見た目にも出てきているんだよね。



「他の?」



「例えばー……あっ、これ!」




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