俺の宝物は、お前の笑顔。

「まあ、俺はあんまし言うことないけど、勉強のことに関しては、彼女に頼りすぎるなよな」



「これを見ろよ」



高畑くんの言葉が言い終わるか言い終わらないかのうちに、宗馬は誇らしげにプリントを見せてきた。


それは、期末テストの合計点数が書かれたプリントだった。



「ええーっ!!」



宗馬はテストでは前まで60点前後が多かったというのに、ほとんどが90点越えだった。

……元々あたしよりは少し高めだったけれど、別に誇れるような成績を持っていない宗馬がまさかこんなに点数がグーンとアップするだなんて。



「なんで!? なんでこんな爆上がりしてるの?」



「俺も彼氏のプライドっていうか? 負けてられっかよ」



……ということは、勉強が得意な愛菜に恋をした力は宗馬の勉強を頑張る力にも繋がったということなの?


こ、恋の力ってすごい。


まあ、宗馬が勉強を頑張るきっかけになったみたいだし、愛菜も幸せみたいだからいいか。

やっぱり、愛菜が幸せなことがあたしは何より嬉しいことだ。


愛菜、おめでとう。




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