俺の宝物は、お前の笑顔。

「いい加減にしてください」



俺は思わず、その男たちに近づいて言った。



「た……高畑、くん?」



「って、なんだよお前か」



「まさか彼氏だったの?」



俺のことも覚えていたのか。


そして、彼氏とか言われるし。
なんで女子を男が助けたら、彼氏って言われるんだか。


……そういや昔もあったな。
中学生の頃に、同じクラスの女子が不審者に絡まれて、俺の背中になんか隠れてきたもんだから、それで彼氏かどうか勘違いされてひどく面倒なことになったんだっけ。



「なんか答えろよ」



「彼氏かそうじゃないか知って何か問題ですか」



「彼氏じゃないんだったら、どこに助ける必要あるんだよ!」



くくく、と俺は笑った。

案の定の言葉が返ってきたよ。



「へえー、彼氏じゃないなら助ける必要がない。面白いこと言いますねー」



「は?」



「子供みたいなことを言うんすね。いや、無理やり女子連れて行こうとしてるから子供以下か」



「あ!? もういっぺん言ってみろ!」



「言ってあげます、子供以下」



「高畑くんっ!」



星野も怖くなってきたようで、その言葉が溢れる唇がガタガタと震えている。




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