ひと夏の守護天使
前からはザッハ、後ろからはシンに取り付かれ、それでも平然としていたそれの顔は、光輝く紋様の刺青が浮き出し、それが全身に及ぶと同時に戦術核並の熱の光柱を纏ったのだった。
「そうだ。あれが雷電アーキテクチャーの元だ。EIGの研究陣が推論した結果、導き出した答えだ」
「ですが、事実なのですか?確かに異常な現象ではありますが」
「今回の作戦が、その推論の確認に過ぎない」
「ですが、太古に沈んだ北極大陸文明の遺跡というのは・・・」
佐織は、最後に機密ファイルによる情報補完で推論回路が導き出した結論の記憶を吟味しながら言った。
「それが事実だ。大地の気を直接引き出し制御する呪紋技術を電脳に応用したのが雷電の正体だ」
「ですが、そうすると我々の知る世界が意味を成さなくなるのでは」
「そんな事は、学者どもが考えればいいことだ。俺達は、現実は現実と受け入れて、それをどう運用し、対処するかが重要だ」
「では、今回の任務は・・・」
「そうだ、学者どもは、推論は出来たが肝心の呪紋回路の再現が出来ないんで、サンプル採取としてこの作戦が出来た」
「そんなオカルトめいたことの為に、我々は投入されたのですか?しかも、貴重な隊員まで失って・・・」
私兵とは言え、軍人である佐織にとって隊員の死は常に付き纏う任務上仕方のないことだった。
だが、今までの任務と今回の任務は違う。本社の利益の為に任務をこなす企業兵ではあるが、こんな不確定な事の為に、実働部隊員を全て失うとは・・・
「そうだ。あれが雷電アーキテクチャーの元だ。EIGの研究陣が推論した結果、導き出した答えだ」
「ですが、事実なのですか?確かに異常な現象ではありますが」
「今回の作戦が、その推論の確認に過ぎない」
「ですが、太古に沈んだ北極大陸文明の遺跡というのは・・・」
佐織は、最後に機密ファイルによる情報補完で推論回路が導き出した結論の記憶を吟味しながら言った。
「それが事実だ。大地の気を直接引き出し制御する呪紋技術を電脳に応用したのが雷電の正体だ」
「ですが、そうすると我々の知る世界が意味を成さなくなるのでは」
「そんな事は、学者どもが考えればいいことだ。俺達は、現実は現実と受け入れて、それをどう運用し、対処するかが重要だ」
「では、今回の任務は・・・」
「そうだ、学者どもは、推論は出来たが肝心の呪紋回路の再現が出来ないんで、サンプル採取としてこの作戦が出来た」
「そんなオカルトめいたことの為に、我々は投入されたのですか?しかも、貴重な隊員まで失って・・・」
私兵とは言え、軍人である佐織にとって隊員の死は常に付き纏う任務上仕方のないことだった。
だが、今までの任務と今回の任務は違う。本社の利益の為に任務をこなす企業兵ではあるが、こんな不確定な事の為に、実働部隊員を全て失うとは・・・