【完結】私が恋した上司は、野獣系メガネ上司でした。




「……当たり前だろ?今もその香水、付けてるの知ってるし」

「ま、参りました……」



篠崎さんには、敵わない。
ちょっとの変化さえ、見抜かれてしまう。



「……これからは俺の前でだけ、それ付けて。他の男の前では絶対に付けるな」

「えっ、あのっ……篠崎さん?」

「……お前、好きなんだろ?俺のこと」

「そ、そうですけど……。それが、あの、何か……?」



なぜかまた、だんだんと篠崎さんの顔が近づいてきて……。
私の頬に手を当てて、撫でる。



「……顔、赤くなってるけど?」

「だって、それは……。篠崎さんのせい、ですよ……」

「それはだって、俺のこと好きだからだろ?」

「違いまっ……いや、違わないですけど……」



なぜだか私、本当にドキドキして。
目を合わせるのができない。



「……キス、するけどいいの?」

「えっと……それは、本気ですか……?」

「本気だけど? なんなら、試してみる?」

「えっ……」



その瞬間に、篠崎さんの唇がまた、私の唇に触れた……。


< 30 / 206 >

この作品をシェア

pagetop