死にたがり屋の少女は暴走族と・・・Ⅰ
名前…か…


「嫌だって言ったら?」


「はぁ?!いい加減教えろよ!!」


なんてしつこい璃羽斗


別に教えないって言ってないのに…


まぁ、教える気はさらさら無いけど。


「当ててみてよ。」


「なんだよそれ…」


そう言うと隣で一生懸命考えている。


ほんとに考えてるんだ…


おかしな人…


なんて思っていると


ピーンポーン


チャイムが鳴った。


「鳴ってるけど…」


「別にほっといていいだろ。」


それってほっといて良いの?


なんて思って無視をするが


ピーンポーン ピンポン ピンポン


チャイムが何回もなる。


「ったくうっせぇーな。」


そう言って璃羽都は歩き出しドアを開けると


「なんですぐに開けねぇーんだよ!!」


茶色い髪色の男の人が入って来た。


「ん?女の子?!えぇ!!」


「璃羽斗が女の子を…」


出てもいない涙を拭うふりをする男の人。


「違うから。」


「ん?じゃあ何なんだ?ってそれより、自己紹介忘れてたな。俺の名前は、春風 蒼弥(ハルカゼ ソウヤ)」


春風…蒼弥?


この人はアイツ(璃羽都)の友達なんだろうか。


「ねぇ、君は?」


「……」


「なんで無言?教えてよ!!」


なんか…チャラそう…


「もったいぶらないでさぁ…」


グイグイ迫ってくる蒼弥。


なんか…うざい…


「蒼弥。落ち着けって。」


「じゃあ、お前が名前教えろよ。」


「俺だって知らないんだって。こいつ、教えてくんねぇーの。」


「マジで?!ってかなんで名前も知らない子を家に置いてんの?!まぁ俺は可愛い子を眺められるから良いんだけど!」


この人…ほんとに何なんだろう…


「それより、お前何しに来たんだよ。」


「あっ…そうそう。忘れてた。明日会議になったんだよねぇ。それを伝えに。」


会議?なんかの社長さん?


でも…17歳って言ってたよね?


「行かないとダメか?」


「当たり前だろ!!お前が居ねぇーでどうするんだよ!」


蒼弥は璃羽都にそう言ったあと私を見た。


「……」


何?何かあんなら言ってよ!!


と心の中で喋っていると


蒼弥の口はやっと開いた。


「君も来る?」


「はぁ?!」


そうやって声を上げたのは私ではなく璃羽都だ。
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