愛は惜しみなく与う⑦
「その似た集団に居て、その中で自分を見つけるねん。ちょっと違った考え方をしたら、集団から弾くんじゃなくて、それを受け入れるねん。自分に出来ないことが出来る人を敬うねん。そして、次第に、自分にないものを持ってる人に惹かれていくねん。
全て期待から入るんやと思う。この人といたら楽しいやろな。この人と一緒なら、世界が輝いて見えるなって。まず期待するねん」
お姉ちゃんは、一つ一つ丁寧に、サトルの感情を説明しているというの?
漠然としたサトルの求めるもの
ただ欲しいと言った言葉から
たくさんの感情が読み取れる
わたしには気付けなかった事だ。
「だからな、あんたはあたしに期待してん。同じような奴おるな〜きっとこいつなら自分のことを分かってくれる。あれ?何か自分と違って見えるな〜なんで同じような境遇やのに、違って見えるんやろ?自分も……あんな風に笑いたいなって…思ったんやろ?」
サトルの肩に触れたままだったお姉ちゃんの手は、無理矢理サトルの顔を上に向かせる。
顔を上げたサトルは
戸惑った顔をしていた