愛は惜しみなく与う⑦
不安そうなみんな

怪我はないから後は、無事に杏を連れ戻すだけ。


「俺たちが行っても…怪我人増やすだけかも知れねーし、待ってる。頼んだぞ」


「わかってる。行ってくる」


朔達に背中を押されて進む
建物は崩れる可能性があるから、中には入らない。

外側からぐるりと回れば、最後にいた病棟まで行ける。


必死に走った


全体的に形は残ってるけど、所々崩れ落ちている。
昔一度だけ、蕪木組と敵対してる組と、銃撃戦になった時に、これは親父に連れてこられた。

死ぬかも知れないという状況に無理矢理連れてこられたこともあったけど、今回はその比じゃなかった。

確実に自分に向けられた殺意


そして頑張っても大事な人を守れないかもしれない。

そんな状況だったから。


本当に精神的に堪えている。


病院を左手にみながら走れば、爆弾があった所だろうか。かなり損傷して崩れている。

そして杏達が居たであろう場所あたりにも被害が。 


「どこにいるんだよ」


杏に電話しても、勿論かからない。
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