愛は惜しみなく与う⑦
「俺は元々あんまり授業ないし、敦子も実習の期間ずらしてるし、美奈子は……あれやろ?上司と寝てるから怒られへんやろ?」


なんと
みんなすごい!


「あのね。寝てないわよ!!寝なくても言う事聞いてくれる上司がいるのよ」

ふん!と美奈子は髪の毛をかきあげた。

うん、今日も色気ばっちりやな!!



「で?あんたは?」

「ん?」



「杏はこれからどうするの」


あたしか

どうしようかな


「まだ悩んでる。まず名前どうにかしたい」

「名前?」

「東堂杏は、嫌や。峰岸も名乗ってええかわからんし、保険証とか身分証明書は東堂やし……改名しよかな」


東堂杏と聞いて、ピンとくる人は少なからず居る。東堂の名前を使えば世の中簡単なことは多い。でもそれをしたくない。

改名できる制度みたいなん、なかったっけ?


「じゃあ結婚して苗字かえれば?」


な?それでええやん。と敦子はニコニコと笑っている。
またまた結婚って…

志木みたいなことゆうて。


「志木と結婚しても、苗字かわらんわ!志木も東堂志木やから!なーんもかわらん」


全く。みんな昔から、テキトーに志木と結婚させようとするんやから。
そう思ってたけど、みんなの反応は少し違った。
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