愛は惜しみなく与う⑦

「俺じゃなくてその辺のやつ殴れよ!!」

「ん?なんで?お前が良いだろ」

「は?何?お前の憂さ晴らしに付き合うつもりはない!!」

「は?お前も憂さ晴らしがしたいんだろ?」


泉はそう言ってそのまま俺の前に来て構えた



「お前も殴れよ。俺らが1番クソみたいに沈んでるんだ。他のやつ巻き込んで、この憂さ晴らしするのは、可哀想だろ」

「お前な…俺がお前に勝てるわけないだろ?」

「杏のことでもそう言うつもりか?」

「何ぃ?」


泉はわざと挑発している。それは分かってる。俺たちが1番馬鹿みたいに落ち込んで使い物にならないのも分かってる。
だから2人で殴り合いってか?俺が言い出したけど馬鹿かよ

でもそんなことはどうでもいい


「杏のことってどう言う意味だ?」


「そのままだよ。お前は俺に遠慮してるのか?杏が好きなんだろ?でも俺の前では、そう言う話をしないようにしてる」


……馬鹿かよ
当たり前だろ

お前ら見てて、自信持てって方がおかしいだろ


「俺は頑張るよ」


泉は、鈍いのかな

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