愛は惜しみなく与う⑦
厄介なことをしてくれる

冬休みはきっと、大荒れになると思う


「凰牙は怪しいですね。そろそろ動くと思うんですが。拓也が言うには明日くらいだって言ってました」

なるほど

拓也が言うならそうだろう

あいつの読みも情報収集も上手くなった。


「闇討ちの可能性は?」

「大いにあるかと」


はぁ
どいつもこいつも。面と向かってやれないのか。新にダメだと言われるから、最近1人で行動はしていない。


「なんでクリスマスイブに喧嘩しなきゃいけねーんだよ!!」


そう
明日は12/24だ

世間はもうクリスマスモード1色。


「朔はいいじゃん。デートする相手もいないんだから。俺の方がかわいそうだよ」


なにをー!?とキャンキャン吠える朔を、慧は黒い笑顔で見ていた。

そうだ


慧に女ができた


この前の黒蛇との抗争で巻き込まれた女だ。慧が中学生の時から色々あったらしい。

めでたいことだ


慧が自ら愛情を求めにいけるなんて、俺としても嬉しい。

嬉しいけど

幸せオーラがうざい


「ちょっと!やめてよ!」
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