愛は惜しみなく与う⑦
ついに私に泣きついてくる朔さん。


杏様と泉は、2人のお色直しの付き添いで先程この会場を出た。

次の衣装に着替えて、披露宴の続きが始まる。


「樹と梓が居なかったら、俺が殺される」

「なるほど。それはそれで面白いんじゃないですか?叔父さん」

「叔父さん言うな!!お兄さんだ!!」


こんな素敵な式で相変わらずうるさいですね。もう少しで新と皐月さんが戻ってきます。

まぁ確かに

樹と梓を探さないと、後々大変そうですね



そして隠れていそうな机の下を覗けば、可愛い顔が二つ、こちらを見ていました。



「はー?ずりぃーぞ!ちゃくのばか!ちきをみかたにしゅるなんて!!ちぇこい!!」

「ちゃくのあほ!ままとぱぱからかくれんぼちてるの!ちゃくはへぼいから、いっちょにやんない!!」


よく似た2人の天使が、朔さんをばかにしている。

誰の血が濃いんだか……



「こぉんのクソガキーーーー!親の顔が見てみたい!!!」

「何がだ」


朔さんの頭を後ろから鷲掴みにしたのは、泉だった。


「誰の顔が見たいって?ん?よく見ていいぞ」


そう言って泉は、黒い笑顔を朔さんに向けると、机の下にいた天使が2人とも出てくる



「「ぱぱ!!!」」

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