愛は惜しみなく与う⑦
馬鹿なのかって思うよね

でもあの時は、本当に……そう思ったんだ。


信じてるサトルが調べ上げてくれた情報だったから。

信じてたから
好きだったから



「お姉ちゃんの事は大好きだったけど、私は……愛されてる自信がなかった。お姉ちゃんは…私を嫌いだと思ってた。私が、居なくなってほしいんだと思ってた!!!!」



私は馬鹿だ

サトルに愛されてる気になってた

サトルはいつも、私を通して誰かを見ていた。

そんな視線にも気づいていた

サトルは私のためにお姉ちゃんに復讐してくれると言っていた。


でもサトルのする事は復讐ではなかった。



私と同じようにお姉ちゃんをコントロールしようとしていた。


心のどこかでわかってたのに


捨てられたくない。
信じていなきゃ、自分の存在理由がなくなる。
サトルのしている事を全て理解してしまえば……

私がお姉ちゃんにしてしまった数々の最低な出来事を受け止めなければならない。



何かされたから仕返し


そうじゃない


お姉ちゃんは何もしていないのに、むしろ私をずっと守ってくれてたのに
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