冬の花
私は、大人しく大嫌いな佑樹に抱かれた。

いつも一人で眠っているベッドで、一糸纏わない姿にさせられる。

悔しいから絶対に泣かないと決めていたけど、
佑樹が自分の中へと入って来た瞬間に、
零れ出すように涙が目から溢れた。

そうしたら、もう涙が止まらなくなった。


時間を掛けて、弄ぶように佑樹は私の体を堪能している。

キスシーンくらいなら撮影で何度かあったけど、
そんなものと比較にならないくらいに辛くて苦しい。

佑樹は私を組敷き、腰を動かしながら私の泣き顔を見下ろしている。

「俺、お前が泣いてる顔大好きなんだよ。
そうやって、苦しんでいる姿もたまらなく好きだから」

昔から、私は佑樹のストレス発散の存在でしかなかったのだと、
改めて思い出した。

佑樹が私を苛めていたのも、
父親に怒られた八つ当たりだったのだと思う。

きっと今も、佑樹は何かにイラついていて、
その捌け口に私を使っている。

また昔みたいに憂さ晴らしをする為に私に近付いたのだろう。

とっておきの、私を脅すネタを手にして。

殺してやりたい…。

佑樹を、殺したい…。

一度思うと、その殺意は抑えられなくなった。
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