地味OLの憂鬱~私は仕事に生きたいのに、三人からのアプローチにタジタジです!!

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マンションの完成発表会も無事に終わり、明日はレセプションパーティーの為、社員達は定時であがっていた。玲奈も定時で会社を後にしたが、明日使用する資料を忘れてしまったため会社へ戻ってきていた。

暗い廊下を歩いて行くとなぜかライフのオフィスから明かりが漏れている。誰もいないと思っていた玲奈は驚き、そっと中をのぞき込んだ。

その時……「好きなんです」誰もいなくなったオフィス内に、萌の声が響き渡った。

「副社長は玲奈さんの婚約者だってわかってるんです。でも……この気持ちを止められなくて……迷惑ですよね。ごめんなさい」

顔を覆いポロポロと泣きだす萌。

ドクンッと玲奈の心臓が跳ね、嫌な汗が背中を流れていく。このままここに居座れば盗み聞きしているようになってしまう。しかし萌の前に立っている優人の姿を凝視し、動けなくなってしまった。

優人さんは何て答えるの?

優人はそっと萌に近づきポンポンと背中をたたくと優しくなでた。

「ありがとう。嬉しいよ……」

その後、優人が何かを囁き、萌が微笑んだ。その二人の声は玲奈の所まで届かなかった。


嬉しいんだ……

やっぱり優人さんは、私なんかより佐藤さんのような可愛らしい人が良いんだ。

分かっていた……分かっていたのに、最近の優人さんの態度のせいで少しは好きになってもらえたのかと思ってしまった。

好かれていると思うなんて……恥ずかしい。

こんな私を好きになる人なんているわけない。

情けない。

仕事に生きると決めなのに、忘れていた。

二人をこれ以上見ていることは出来ない。玲奈はゆっくりと音を立てないように後ろへ下がろうとしたとき、ポンッと肩を叩かれ、「ヒッ」っと声を上げてしまった。

肩を叩いたのは涼だった。オフス内にいた二人は玲奈と涼を見つめ固まっていた。盗み聞きしていたのがばれてしまったかしら?

玲奈はその場にいることが出来ずに逃げ出した。


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