恋愛イデアル続編

ハワードの田園都市論。

[ハワードの田園都市論]

「都市を統一する理論ね」

大学生となった、長月遥は京都にある通信制の芸術大学の美術史コースで勉強をしている。
彼女がいま取り組んでいるのが、都市計画の歴史を調べ直すことだった。

「たとえば、1888年のハワードの田園都市論ね。田園都市論では、都市機能を取込みながら、農村の要素を都市に取り入れることで、都市環境の悪化を防ごうとしたのよ」

つづける。

「ハワードは人口3万人から5万人の農村に囲まれた工業が立地する小都市を田園都市としたんだけど、水守市ってなんと田園都市の定義に当てはまってるのよね」