戦略的心の奪取計画及びその結果

そう言うと少し照れる華音。
メガネなんて壊れているはずがなく、
ただのコンタクトにした言い訳だなんて、見え見えだよ。
そんな彼女を、彼女が大好きなイタリアン料理に誘った。

そこからはもう、たくさんのものを得られた。
華音は俺のことについてたくさん質問してくるし、ミラー効果をたくさん使っていた。
ミラー効果とは簡単に言えば、相手の真似をすること。
瞬きや水を飲むタイミング、鼻を触るタイミング全て。
でも華音?やりすぎると相手に気づかれることもあるかもしれないから注意だって、君が昨日買った本に書いてあったよ?
まあ、これで確信はできた。
華音はまちがいなく、俺に惚れている。



そして華音が前よりも綺麗になったある日のこと。
新歓の飲み会があり、俺は上司の接待をしていた。
華音を見ると、隣には邪魔な虫が引っ付いていた。
なんだか腹立たしくなって、彼女を呼び止め水を飲ませた。
そう、睡眠薬入りの。
そして眠くなった華音をタクシーに乗せ、もちろん家へ帰すこともせずに俺の家へ連れ込んだ。

『ごめん、寝てていいよと言ったものの、華音さんの家聞くの忘れてて…
 起こすのも申し訳ないと思って、その…俺の家に…』
「え、!本当にごめん!タクシー呼んでくれてお家に押しかけるなんてほんとに申し訳ないよ…」
『いや、お家に来てもらうのは全然よくて、!でもごめん。勝手に部屋に連れ込んだりして…』
「そんな、」
俺は下心しかないよ?でも、華音も今そう思ったでしょ?
やっぱり似た者同士だね。

そしてシャワーを浴びる。
俺に姉ちゃんなんて居なくて、服やメイク落としだって全部新品。
いつだって君を呼べるように。
そしてシャワーを浴び終わって外へ出る。
…開けておいた書斎、覗いてくれたかな?
さて、種明かしをしよう。
タオルを巻いただけの俺は彼女に気づかれないように書斎へ入る。
彼女はまだ、自分の写真を眺めていた。
< 8 / 10 >

この作品をシェア

pagetop