君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
――「あれぇ?花菜ちゃん…?」



架琉くんの歌声について花菜ちゃんと熱く語ろうと振り返ったら、後ろにいる筈の花菜ちゃんが居なくて首を捻る。


何処に行ったのかな?


トイレって言ってたっけ…?



「あのぉ、花菜ちゃん知りません?」



隣に座る花菜ちゃんのお友達のお友達に聞けば、知らないって言われた。


………まぁ、いっかぁ。


花菜ちゃんならいつの間にか帰ってきてるんだろうし…



「ほぇ?」



よく見たら中野くんも居ない…


もしや!!


2人してムフフなことしてる?


なんて考えてたら…



「あ!花菜ちゃん!」



人混みを掻き分けて歩いてくる花菜ちゃんを見つけた。



「あ、お帰りぃ、花菜ちゃん!」



花菜ちゃんに笑いかけると、花菜ちゃんも笑顔で返してくれた。
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