君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
そう言って綾香を差す。



「《…あのなぁ。綾香は俺が一生一緒に居てぇ女なんだよ。だから指なんか差すんじゃねぇ。》」



……なんか八神 架琉、凄く嫌そう。



「え?!このちんちくりんが…お兄ちゃんの彼女!?」


「《ちんちくりんって言うな。》」



明らかに落胆して見せる愛瑠ちゃん。


と、私の後ろに立つ神弥を見る。



「かーくん!かーくんは私の未来の旦那様だから彼女なんか居ないよね?!」



み、未来の旦那様ぁ!?


言うなれば、"ゴーン"という効果音が私の脳内で響く。



「いや、居るけど。」


「まさか、その巨乳…」


「あぁ。花菜は俺の彼女。」


ゴーン。


今度は愛瑠ちゃんの脳内で響いたみたい。



「か、かーくんの嘘つき!私の初めて返してよーぅ!」



……愛瑠ちゃんはそう叫んでどこかに行ってしまった。
< 242 / 385 >

この作品をシェア

pagetop