君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
「と、特別な存在って……」


「まんまだろ。…分かったならさっさと出てけ。」


「~~~~っ、神弥の馬鹿!」



女の子は(わめ)き散らしながら衣服を身に付け、物凄い勢いで部屋を出ていった。


バタン…


扉が閉まる。



「ぶはっ!」



と、同時に中野 神弥は噴き出す。



「ははははは!見たかよ?今の顔。最高だ!」


「ちょ、あんた、彼女さんをあんな風に―――…」


「あ?彼女?…あいつはそんなんじゃねぇ。」


「え?じゃあ…」


「高校が同じだったただのクラスメート。んで、セックスするだけのオトモダチ。まぁ、今後会うことはねぇやつだから。」


つまり…一度だけの関係……?



「…最低!あんた、最低よ!彼女追い出すために私を特別だとか何とか言ったのも最低よ!」


「最低?俺は本当のことしか言ってねーけど?あんたは俺の下僕(しもべ)だろ。だから特別な存在。」
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