君は無垢なフリをして​───本当は野獣。

私のビンタに頬を押さえる神弥の襟首を掴み、引き寄せ叫ぶ。


巻き込みたくないなんて、他人みたいなこと言わないでよ…っ。



「花菜ぁ…っ」



ポトリと頬に落ちた滴。


視線を上げれば、神弥が泣いているのが目に入る。



「もう…苦しい。助けてよ、花菜…」



意地悪で、子供っぽくて。

だけど時々大人っぽくて…いつも私を引っ張ってくれていた、神弥。


その神弥が。


いつもより幼い口調で、私に助けを求めてる。


もう…神弥も限界なんだ。


「…神弥。」



前髪を掻き上げて、少し伸びをして額にキスをする。


「待ってて。貴方も帝ちゃんも…必ず助けるから。」


神弥が幸せで、それでいて帝ちゃんを求めるなら…それでいいと思ってた。


だけど、こんな神弥を見ているのは辛いから。


きっと、私が助けてみせるよ。
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