君は無垢なフリをして​───本当は野獣。

「冗談だよ。今は…花菜との時間を大切にしたいし。」



そう言って、頬にキスを落とす。



「……馬鹿。」



未だに神弥の言動には振り回される。



「花菜、帰ったらあの1番得意な料理作って?」



ん?


と神弥は首を捻る。


……あー、もう!


敵わないなぁ。



「いいよ、作ったげる。」



これから先も…


こうやって、私は無垢なフリをした野獣に振り回されていくんだろう。



「神弥!帰りは変な風にハンドルきらないでよ?!」


「え?」


「え?じゃない!」


「だって花菜が泣きそうなのが可愛いんだもん。」



~~っ!



「馬鹿!!」





――fin.
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