君は無垢なフリをして​───本当は野獣。
「《神弥はこの大学の創始者の孫なのは知ってんだよね?》」


「うん、まぁ…」


「《神弥は理事長のただ一人の孫息子なわけ。で、理事長は将来、神弥に跡を継がせたいと思っている。…何が言いたいか、分かる?》」



八神 架琉は嘲笑(あざわら)うかのような視線を向けて言う。


八神 架琉の思っている通りに答えてしまう自分が悔しい。



「…分かんない。」


「《ふーん、やっぱり。…つまりは、神弥にはきちんとした家庭を築いてほしい。イコール、しっかりした家系の女と結婚させたい。》」


「……見合いをさせられそうってこと?」


「《ご名答。神弥はそれが嫌だから、あんたと棲むことにしたんだ。》」



…え?


私と棲むことにした?


それって…


まるで、中野 神弥は私が同居するのを知ってたかのような口振り…



「《後は神弥から聞きな。…ま、今からあんたは大変だろうけど、頑張って。》」
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