ある冬の日の物語


「ただ、私はね、前を向いて胸を張ってほしいだけなの。ちゃんと高校にいって将来を生きて欲しい。それが私の願いなんだ」


なんだよそれ。

余計なお世話だ。

なんで赤の他人にそんな心配されなくちゃいけないんだ。

まして蝶子に言われるわけじゃないのに。


「……陽斗くん?」

「触んな!!……俺に触っていいのは蝶子だけだ」

「………」

「さっきから余計なお世話なんだよ。お前には関係ないだろ!!」

「陽斗くん……でも私は」

「うるさい!ほっとけよ!」

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